浜松市官民連携プラットホームでの本年度第1回フォーラムが開催。
浜松市官民連携フォーラムが開催され、行政、金融機関、建設業、コンサルなど関係者などが集まり官民合同で勉強会が行われました。
冒頭に、日本政策投資銀行の地域企画部PPP/PFI推進センターの森永調査役より、公共施設マネジメント戦略、PRE(公的不動産)活用の必要性について、現況の政策動向などのお話をいただきました。
少子高齢化、人口減少社会に突入し、市街地の拡散、低密度化が進行する中、全域の生活を支えるサービスの提供が将来困難になりかねない状況にあり、多極ネットワーク型コンパクトシティの形成が必要とされています。このコンパクトシティ政策と公共不動産の活用を連携が重要であるとされています。
これまで公的な観点から収益目的による利用は抑制されてきた公的不動産では、エリアマネジメントの観点より発想が転換され、公共施設等において、民間による収益活動を積極的に認め、まちの活性化を図り、収益の一部を管理に充当するなど、新たなPRE戦略が始まっています。
国内でも東京都内では豊島区の南池袋後援や千代田区の中小企業センタービルなどにエリア再生における公共施設の活用事例が紹介されました。
また不動産投資市場においてもPRE活用が与える影響は大きく、不動産証券化手法などによる複合的な資金調達スキームにより都市機能、都市計画、再開発などが進められています。具体事例だけでも、駅前複合施設、スポーツ文化施設、インキュベート施設、廃校利用、公共庁舎、都市公園など官民連携のアイデアは無数にあるといってよいですが、浜松市の場合は、民間活用は委託や指定管理が中心であり、行政が積極的に企画運用に参画している事例は目立ちません。今後はクリエイティブな行政スタッフがマネジメントを担っていくことが求められています。
他都市の事例紹介として、道の駅「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の運営を担う㈱北神地域振興の専務取締役高山壽弘氏のお話をいただきました。ここは以前より注目していて、一度視察に行きたいと考えていた施設です。プレゼンされた高山氏は三田JCの歴代理事長で、全くの別業種から地域振興のために道の駅の構想に着手し、官民連携や道の駅の立上げの補助金、民間資金の調達、ファーム・サーカスのコンセプトに直結する農家経営者との事業構想を形にしてきました。
大手の事業者の公募入札の中、地元事業者の連携、財政基盤も実績もない事業者を選定したことは、地域要望のコミュニティバスの運営など、プロポーザルの内容が素晴らしいことが一番ではありますが、おそらく本市の採点基準や判断の中では考えにくいものであり、神戸市の懐の広さや時代や先を見据えた判断に感銘するところです。所有する神戸市や管理会社との連携や、具体的な運営内容や神戸市の関与レベルなど、まだまだ調査したい内容がたくさんありましたので、是非視察の機会をつくりたいと思います。
このあと弁天島海浜公園の利活用に向けたサウンディング調査の予定や5月議会の一般質問でとりあげたSIB(ソーシャルインパクトボンド)についての概要説明がありましたが、このような官民連携フォーラムを通じて、大小さまざまに官民連携が強まり、新たな発想でプロジェクトデザインがすすむことに大きく期待するところです。
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